建築模型製作講座

住宅やビルなどを建てるときの設計・計画に欠かせないのが建築模型です。大切な打ち合わせに使われる建築模型は、一戸建て住宅の模型1点の制作あたりで何と3~6万円の収入にもなります。

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建築模型とは

建築模型とは、『建築物の完成予想模型』のことです。主にこれから建てられる建築物の完成予想模型として活用されます。建築関係の打ち合わせでは、まず「図面」が使われますが、この「図面」は2次元上のものなので、建物のデザインによってはわかりにくい場合がでてきます。そのように「図面」だけではイメージがつかみにくい場合に「建築模型」が登場します。

建築模型を打ち合わせなどの場で、第三者に対するプレゼンテーションの一部として用いると、より説得力が増し設計者の意図が理解されやすくなります。また建築模型には2次元では表現できない3次元を、さまざまな角度からリアルタイムで検討することができるというメリットもあります。設計作業を進める際の“道具”として建築模型を活用すると、第三者の理解が格段に容易になるというものです。

建築模型はプラモデルとは意味合いが違ってきます。模型は模型でも通常、建築模型はそれ自体を製作することが目的ではなく、あくまでホンモノの家を建てる際の参考資料になります。そのため建築模型製作をおこなう前には、その使用目的や製作時間、表現の程度、費用などをある程度考慮して、つくりはじめる必要があります。

建築模型の用途

スタディ(検討)模型

スタディ模型とは、設計者も含めて建物を考える時に、どんな形、どんな外観になるのかをシミューレーションする為につくる模型です。一般的にスタディ模型は身近な素材を使い、手間暇をあまり掛けずに作っていきます。
その理由は、繰り返しの検討(スタディ)のために繰り返し模型を作るからです。よって、大抵外壁に色付けはせず、窓に細かい細工なども施しません。スタディ模型をつくる目的は、建築の“空間”をしっかりと検証することです。

全体の土地(敷地)

計画の初期の段階で、その計画の基本的な方針についてスタディをおこなうときの模型があります。これは敷地の特性をより視覚的に検討するためのものです。敷地の高低差や道路との関係、眺望性などを表現し、大まかな建物の見え方、イメージ等をスタディします。スケール(縮尺)は1/1,000~1/200程度になります。よってスケールによる表現の違いや、縮尺による表現の限界など使い方に多少の慣れが必要ですが、あまり深く考えずシンプルに、機能的な感じに仕上げると良い印象を与えます。
この模型では、コルク板やスチレンペーパー、スチレンボードといった、地形に加工しやすいもので高低差をつくり、建物は発泡スチロールやダンボールを加工して使うことが多いです。

建物のかたち(ボリューム)

土地利用のスタディの次の段階として建物を中心としたスタディが考えられます。スケール(縮尺)は、建物のかたちをより現実的にとらえることが必要となるので1/300~1/100程度になります。ビルのような大規模な建築物では、1/200~1/100のスケールで完成模型としてつくる場合が多いですが、住宅を中心とした設計スタディでは、このスケールはまだ大まかな部分しか検討は出来ず、建物のボリューム感、アプローチや駐車場、庭の位置関係などを中心としたスタディをおこなうための模型といえます。
この模型では、発泡スチロールのマスを熱線で切断しながらボリュームに組み立てる方法が最も有効です。模型を検討しながら平面や立面を発展させ、次々とスタディ模型をつくり、それらの中で同じレベルで再評価をおこない、最もふさわしいボリュームを決めます。そして次の段階へ進みます。

建物の使い方、見え方などを計画

大まかに建物のイメージをとらえたら、次の段階としては1/100~1/20のスケールで、より細かい平面や立面、断面、内部空間の検討をおこないます。住宅では図面を1/50で描くことが多いので、このスケールで検討することが多いです。平面的な使い方や1階と2階の使い方、機能分担や立体的な位置関係などの空間のつながりなどを、設計者自身のスタディのための模型化というより、このスケールでは建主に対する説明、プレゼンテーションの役割が重要になります。建主への説得性という点では図面による説明よりも有効で、模型によりその設計の基本的な考え方をプレゼンテーションし、基本設計のまとめの段階で、より現実の建物に近いイメージを建主に持ってもらえるようにします。

その他の設計内容説明

 最後に、設計内容を説明するために使われるインテリア模型があります。これは住宅では1/50のスケールが多く、かなりの細部まで表現することができます。空間や家具のレイアウトなど、詳細に検討するためには1/30~1/10程度の模型を使用することもあります。縮尺が大きくなると、模型はより現実の1/1に近づいてくるため、実際に出来上がるものをとらえるという観点からは魅力のあるものになりますが、模型として表現する場合、ディティールや材質感など、表現が大変になってくるため、模型の目的、表現の程度をしっかりと絞り、製作する必要があります。

まとめ

 以上のように模型は設計プロセスに従ってスタディに、プレゼンテーションにとさまざまに使用することができます。その利用においては模型の作り方だけではなく、その模型の持つ特徴・役割を十分認識し、活用することが大事です。”模型”といえば、すぐにプロのつくる完成模型を創造するのではなく、模型の製作者は、設計作業を進めるための一つの”道具”という認識を持つことも必要かもしれません。建築模型を制作することで、設計者の設計密度を上げ、また建主や第三者の理解を容易にすることができるようになります。

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