
皆さんは日本酒に対してどんなイメージがありますか?
私は大好きなんですが、詳しく知ることもなくただ単に飲んでるって感じですかね^^
しかし日本酒には、知れば知るほど奥深い楽しさがあり、きっと今まで飲んだことのなかった人も思わず「美味しい!」と頬が緩んでしまうこと間違いない魅力がたくさん詰まった、まさに日本が生んだ素晴らしいお酒なんです。
日本酒ってどんなお酒?
日本特有の製法で造られたお酒。主原料は、米・米麹・水です。日本酒の起源は縄文時代~弥生時代ともいわれており、非常に歴史のあるお酒です。原料を発酵させて造る「醸造酒」の一種になります。
さらに日本酒は突き詰めていくと、同じ銘柄の日本酒でも複数種類があります。
「大吟醸」や「純米酒」なんて言葉を耳にしたことが皆さんも一度はあるかと思います。
これらの種類が決まるのには二つのポイントが挙げられます。
まず一つ目のポイントは純米酒かどうか。
どういうことかというと、最初にお話しした通り日本酒は基本的に米・米麹・水から作られていますが、なかには醸造アルコールという原料を添加しているものがあります。
この醸造アルコールは香りを豊かにし、味わいもすっきりと辛口に仕上げてくれるだけでなく、品質も安定させてくれるという優れものです。
さらにもう一つのポイントは原料の米をどのくらい削っているのかということです。
日本酒造りにはある程度まで削った(精米した)米を使います。
この削り具合を精米歩合と呼ぶのですが、この精米歩合によっても種類が変わってきます。
例えば、「精米歩合40%」という表記のあるお酒は、米の60%を削って残りの40%で仕上げたお酒という意味です。
日本酒造りにおいて米を削ることは、米の中心に近い部分を使うことができ、雑味のないすっきり爽やかな味に仕上がると言われています。
日本酒の歴史に迫る
今でこそ当たり前のようにアルコールの一つとして、また日本を代表するお酒として日本酒は存在していますが、一体いつから人々に親しまれてきたのでしょうか。
実は縄文時代から、日本ではお酒が飲まれていたと言われています。というのも、長野県八ヶ岳の山麓にある遺跡から、ヤマブドウの種が入った縄文式土器が発見されたからでした。このことから、日本では縄文時代から果実酒が飲まれていたのではないかと推測されています。
つまり日本で最初に飲まれたお酒は、意外にも日本酒ではないかもしれないというわけです。『大隅国風土記』には、加熱した穀物をよく噛み唾液の酵素で糖化させ、野生酵母によって発酵させる「口噛み」という製法で作られた「口噛みノ酒」が登場しており、これが史実としては最古のものではないかと言われています。
当時の日本酒は神のためのものであったと言っても過言ではありません。
そのため、この「口噛み」の作業を行えるのは巫女のみでした。
また現代でもお酒造りで「醸す」という言葉を用いますが、これはこの「噛む」という言葉が由来するとも言われています。
大和時代に入ると『古事記』、『万葉集』、『風土記』などの文献でも記述が残されているように、日本酒造りは全国に広まっていきます。
奈良時代には造酒司と呼ばれる酒や酢の醸造をつかさどる役所が設けられ、祭事や宗教儀礼に欠かせないものとして日本酒は発展していきました。
その後寺院で造られた僧坊酒が高い評価を得るようになっていくと、庶民にも少しずつ日本酒を飲む文化が根付き、今日の日本では知らない人がいないお酒としての地位を築き上げていったのです。
また日本酒は四季折々の日本の文化とも深く根付いています。
皆さんもご存知の春の花見酒は奈良時代から行われていたそうです。
あまり聞きなれないかもしれませんが夏には夏越しの酒。
これは田植えが終わった時期に庶民たちがこれから暑い夏を乗り切ろう!と願いながら暑気払いをするお酒です。
そして秋には月見酒。
中秋の名月を鑑賞しながら飲むお酒は言うまでもなく格別ですが、江戸時代の庶民たちにとっては最高のレクリエーションで隅田川界隈の茶屋は大繁盛していたそうです。
冬はもちろん雪見酒。
紫式部も行っていたと言われ、わざわざ平安時代の人々は雪の中に牛舎を仕立てて楽しむほど。
このように日本人と日本酒の関係は密接で、その習わしは今に通ずるものもたくさんあり、歴史に思いを馳せながら飲む一杯もしみじみして良いですよね。
日本酒の基本の飲み方
日本酒は他のお酒と比較しても、飲む際の温度が幅広くそれぞれ酒の個性に合った温度で飲むことを推奨しています。
さらに日本酒は香りと味で4つのタイプにも分類されます。
・薫酒(くんしゅ)
フルーティーな果実や花の香りが特徴の日本酒。「大吟醸」など吟醸系が当てはまり、若い女性にも大人気のタイプ。
・爽酒(そうしゅ)
日本酒の中でも最も口当たりが軽く、すっきり爽やかな味。普通酒や本醸造が該当し淡麗(口当たりがさっぱりとしていて癖がなく、糖度と酸味の低いもの。)辛口タイプ。
・ 醇酒(じゅんしゅ)
お米の旨味やコクを感じるタイプで、純米系の日本酒が該当。どっしりとしていて、味付けの濃い料理にも◎
・熟酒(じゅくしゅ)
古酒や熟成酒が当てはまる。ドライフルーツやスパイスのような香りとまったりとした飲み口のタイプ。
さらに日本酒をもっと美味しく飲むには、器にこだわるのも大切です。
例えば飲み口の広いものは香りを豊かに感じることができますし、反対に狭いものはすっきりとした口当たりになります。
さらには素材によってもそれぞれ特徴があるので把握しておくと、さらに日本酒の世界を楽しめるのではないでしょうか。
日本酒グラスの素材いろいろ
陶器・磁器
日本酒の甘みを感じやすくなり、口当たりがまろやかに。
ガラス
無味無臭なのでお酒の香りや味をダイレクトに感じ日本酒そのものの味を感じやすい。
木
木の香りがお酒に移り、個性的な日本酒でも飲みやすくなる。口当たりは一番まろやか。
錫
雑味が抑えられ、口当たりがまろやかに。
気になる日本酒の賞味期限
日本酒について“1本飲み切れるのか”や“買ったまま飲まずにいる日本酒があるけどまだ飲めるのか?”など、アルコール度数も高いだけに保存方法や賞味期限が気になったりしませんか。
実際のところ日本酒は法律で賞味期限の記載義務は決められておらず、その代わりに製造年月日を記載しているものがほとんどです。
日本酒はとても腐りにくく、生酒は半年ですが熟成酒にいたっては10年以上経っても美味しいものがたくさんあります。
未開封で冷蔵庫や冷暗所に保管してあれば、基本的に腐敗することのない日本酒は、製造年月日から1年以内を目安に飲むのがおすすめです。
逆に開封後はできるだけ早く飲むようにしてください。
飲み切れなかったり、味が劣化した場合は料理酒として使用したり、贅沢にお風呂に入れて日本酒風呂に浸かるのも良いかもしれません。
特にこれから寒くなる時期の日本酒風呂は発汗作用や体を温める効果があるだけでなく、美肌効果も期待できます。
ただし、お酒が元々苦手な人や肌が弱い方にはおすすめしません。
まとめ
まずは、日本酒の魅力を知り、日本酒愛をより一層深めましょう。
なんとなく入口を入る場合と、ある程度ワクワク感を持って入るのではだいぶ印象が違います。
その後、酒税法の観点からも日本酒の定義を明確にしていきます。
また、日本酒にとって、米と水は命です。原料(米と水)の知識を学んでいきましょう。
ぜひこの機会に日本酒のプロとして夢を実現しませんか^^